物語コーポレーション加藤社長の「未来を右肩上がりにする理念経営」を拝聴しました。
特に印象に残ったのは、「個の覚醒」という考え方です。
会社が成長する前に、一人ひとりが主体的に成長することが重要であり、そのためには心理的安全性や自由に議論できる文化が必要であるというお話でした。

陽光でも、人を育てることが会社の未来をつくるという考え方は共通しています。
私自身も「人生を芸術に。会社も芸術に。」という理念のもと、社員一人ひとりが成長し、自分らしく輝ける会社を目指していきたいと改めて感じました。
加藤 央之 氏(物語コーポレーション 代表取締役社長)
苦戦からの学びと全方位成長戦略
同社は創業期のおでん割烹や郊外型大型店舗(しゃぶしゃぶ等)の成功を経て、ロ
ードサイド型の店舗開発ノウハウを蓄積してきました。配属初期のお好み焼き本舗な
ど、小規模マーケットでの苦労を通じて「本部任せにせず経営者視点で思考する」重
要性を体得。その経験を起点に、焼肉キングや丸源ラーメンといった主力のヒットフォ
ーマットを確立させました。2030 年にグループ売上高 3,000 億円を見据え、国内・海
外、既存店・新業態のすべてにおいてリソースを適切に配分し、拡大を推進する「全
方位成長戦略」を展開しています。海外事業においても日本型の成功体験に捉われ
ず、現地のニーズや文化に即した「食体験の提供」を軸に拡大を進めています。
経営理念「Smile & Sexy」と自己実現の追求
外食産業における最大の差別化要因および強みは「理念と人」であるとし、同社で
は「個の尊厳を組織の尊厳より上位に置く」という基本姿勢を掲げています。核となる
経営理念「Smile & Sexy」は、自己実現のための理念です。「Sexy」とは、同調圧力に
流されず、自身の考えを持ち意思決定・自己表現ができる個性の魅力(内面の美し
さ)を指します。「Smile」は、身勝手な主張(我がまま)に陥らないための誠実さ、マナ
ー、思いやりといった包括的な人間力を意味します。この矛盾し得る二つの側面を同
時に追求・磨き上げることで、正々堂々と自分らしく生きる人材の育成を目指していま
す。
「個の覚醒」を支える 4 つの具体的行動規範
社員が持つ本来のポテンシャルを最大限に発揮(覚醒)させるためには、率直な自
己表現と意志表明が不可欠です。しかし、自信や勇気の不足から発言に躊躇する課
題を解決するため、同社では以下の 4 つの実践的アプローチを定めています。
- 行動サイクルの逆転:「考えるから言う」ではなく「明言するから意思決定でき
る」へ転換。迷う前に手を挙げ、言明することで思考を強制的に駆動させま
す。 - 専門領域の深い学び:社外の良質なサービス体験や食事を通じて視点(スタ
ンダード)を高め、自ら発言したいことや改善点が溢れ出る状態を作ります。 - ゼロリスク思考からの脱却:完璧なリスク回避(ゼロリスク)は過度なコスト増
加や市場競争力の喪失を招きます。トレードオフを見極め、挑戦を優先する姿
勢を重視します。 - アサーティブ・コミュニケーション:自分の意図(どうしたいか)を明確にした上
で、相手を尊重した代替案を提示する表現技術を身につけます。
心理的安全性の確保とイノベーションを生む議論文化
発言しやすい環境を整えるため、多様性を「受容」し「表現」できる心理的安全性を
重視しています。具体的には、新入社員を「幹部候補生」、中途社員を「キャリア」と呼
ぶことで立場による萎縮を防ぎ、年間約 400 名の採用者一人ひとりに個別文章の
「入社激励書」を手渡すなど、個を尊重する姿勢を組織的に体現しています。さらに、
誕生日に自ら決意を社内に発信する「パラダイムシフトバースデーメール」や、生理用
低用量ピル処方の全額補助といった多様な選択肢を提示する制度も導入していま
す。 こうした環境から生まれる活発な「議論文化」により、多様な視点を取り入れた高
精度な意思決定とイノベーションの創出が可能になります。また、自らの意見に対し
「なぜやるのか」を深掘りし、説明責任(ロジックの構築)を果たす日常的なプロセスを
通じて、事業を牽引する力強いリーダーが連続的に育つ組織基盤を構築しています。



